代謝経路
細胞内で起きる連鎖的な化学反応 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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代謝経路(たいしゃけいろ、英: metabolic pathway)とは、生化学において細胞の中で起きる連鎖的な化学反応のことである。酵素反応の反応物、生成物、中間体は代謝産物と呼ばれ、酵素が触媒する一連の化学反応によって修飾される[1]:26。ほとんどの代謝経路では、ある酵素の生成物は次の酵素の基質として機能する。ただし、副産物は廃棄物とみなされて、細胞から除かれる[2]。これらの酵素が機能するためには、多くの場合、食事無機質、ビタミン、およびその他の補因子を必要とする[要出典]。
さまざまな代謝経路が、真核細胞内におけるその位置や、特定の細胞区画(英語版)におけるその経路の重要性に基づいて機能する[3]。たとえば、電子伝達系および酸化的リン酸化は、すべてミトコンドリア膜で起こる[4]:73, 74 & 109。一方、解糖系、ペントースリン酸経路、および脂肪酸生合成は、いずれも細胞の細胞質基質で起こる[5]:441–442。
代謝経路には2種類あり、エネルギーを利用して分子を合成する能力(同化経路)と、複雑な分子を分解してその過程でエネルギーを放出する能力(異化経路)を持つことを特徴とする[6]。これらの2つの経路は、一方から放出されたエネルギーを、もう一方が使い切るという点で、互いに補完し合っている。異化経路の分解プロセスによって、同化経路の生合成を行うために必要なエネルギーが供給される[6]。これらの2つの異なる代謝経路に加え、両生代謝経路があり、エネルギーの必要性や利用可能性に基づいて、異化または同化のいずれかを行うことができる[7]。
これらの経路は生体内の恒常性を維持するために必要であり、経路を通る代謝物のフラックス(流束)(英語版)は、細胞での必要性と基質の利用可能性に応じて制御される。ある経路の最終生成物は、すぐに使用されることも、別の代謝経路を開始することも、後で使用するために保存されることもある。細胞の代謝は、相互接続された経路の精巧な代謝経路網(英語版)から構成され、分子の合成と分解(同化と異化)を可能にする。