テネレ
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テネレは、サハラ砂漠中南部の一帯を指す呼称。「テネレ砂漠」と呼称されることもあるが、テネレはトゥアレグの言葉で「何も無いところ」を意味する。
ニジェール北東からチャド西部に跨る40万km2を超える広大な地域である。その境界とされるのは、西のアイル山地、北のホガール山地、北東のジャド高原、東のティベスティ山地、南のチャド湖盆地である。テネレの中心であるエルグ・デュ・テネレ(Erg du Ténéré, テネレの砂丘地帯の意)は、だいたい北緯17度35分、東経10度55分の位置にある。
テネレは酷暑と乾燥の不毛の大地で、かつての「テネレの木」(Arbre du Ténéré, 後述)を除けば、植物は生えていない。夏には42度に達し、年間降水量は25mm程度である。水の希少性では悪名が高く、井戸は何マイルも離れている。
歴史的に見れば、かつては不毛の砂漠ではなかった。大昔にはこの一帯は海底にあり、そのあとには熱帯林になった。テネレの西端からは巨大な恐竜の化石が多く発見されており、その中にはサルコスクスなども含まれている。