硝酸カリウム
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硝酸カリウム(しょうさんカリウム)は化学式KNO3で表される硝酸塩の一種であり、天然には硝石として産出する。可燃物と混合し燃焼させるとカリウムの炎色反応によりピンクから紫の炎を上げる。
概要 硝酸カリウム, 識別情報 ...
硝酸カリウム | |
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硝酸カリウムの結晶 | |
硝酸カリウム | |
別称 硝石 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 7757-79-1 |
E番号 | E252 (防腐剤) |
特性 | |
組成式 | KNO3 |
モル質量 | 101.10 |
外観 | 無色結晶 |
密度 | 2.1 g/cm3、固体 |
融点 |
333–334 ℃ (酸素を放出し亜硝酸カリウムとなる) |
沸点 |
400 ℃ (分解) |
水への溶解度 | 35.7 g/100 mL (25℃) |
危険性 | |
EU分類 | O |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R8 |
Sフレーズ | S17-S24/25 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 亜硝酸カリウム 亜硝酸塩 炭酸カリウム 炭酸塩 |
その他の陽イオン | 硝酸リチウム 硝酸ナトリウム 硝酸ルビジウム 硝酸セシウム |
出典 | |
ICSC 0184 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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英語では potassium nitrate、または saltpetre とも呼ばれ、これは石の塩、もしくはペトラの塩を意味するラテン語 sal petrae に由来する。アメリカでは salt peter、nitrate of potash、あるいは単に nitre とも称される。硝酸ナトリウムが salt peter と呼ばれることもある。
黒色火薬に酸化剤(酸素の供給源)として配合されるが、硝酸カリウム自体は燃えない。ハーバー・ボッシュ法によって窒素の固定化法が確立されるまでは、洞窟の壁面に堆積した結晶から、または有機物を分解・乾燥することによって得ていた。特に人畜の屎尿が一般的な供給源で、尿素の分解によって生成するアンモニアなどの窒素化合物が亜硝酸菌、硝酸菌の二段階の微生物による酸化を受け、硝酸塩となる。肥料としても用いられ、そのNPK比(窒素・リン・カリウムの重量比)は13-0-44である。
また、水100グラムに対し、60℃で109グラム、20℃で32グラム溶ける。このように溶媒の温度によって溶解度が大きく変化するため、再結晶によって取り出しやすいという性質も持っている。そのため、中学校の水溶液の再結晶によって混合物(硝酸カリウムと食塩とする)から食塩だけを取り出す実験などに使われることも多い。