涅槃交響曲
ウィキペディア フリーな encyclopedia
涅槃交響曲(ねはんこうきょうきょく、英題:Symphony Nirvana)は、黛敏郎が1958年に作曲した交響曲。1959年、第7回尾高賞を受賞した作品である。早坂文雄に捧げられた。
舞台のオーケストラおよび会場のバルコニー部分に配置された2群のバンダを含む管弦楽パートと、仏教の声明を取り入れた男声合唱とで、ホール全体を利用して効果的に演奏される。また黛が1951年より手がけたテープ音楽、電子音楽の経験を元として、梵鐘を打つ音をスペクトル解析した上でその音をオーケストラにて再現するという手法も取られている。黛はこれを「カンパノロジー・エフェクト」と呼んだ。
最初に第1楽章のみが「カンパノロジー」の題でNHK交響楽団により放送初演された。その後それを第1楽章として取り込み、天台宗の経典に基づく読経が加わる第2楽章以降を追加し、大作交響曲として仕上げた。
男声合唱は2, 4, 5, 6楽章で加わる。楽章間は休みなく全曲が連続して演奏される。
オーケストラは通常の舞台上のほか、2群に分かれたバンダが客席バルコニーに配置される。