サドベリー隕石孔
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サドベリー隕石孔(サドベリーいんせきこう、Sudbury Astrobleme)は、カナダオンタリオ州グレーターサドベリー市にある、地球上で2番目に大きな「アストロブレム(隕石衝突に起因する地質構造)」である。地球上で2番目に大きな「衝突クレーター」であるという説明がしばしば見られるが、正確には地形としての「クレーター」はすでに失われている。クレーター跡は現在は深く浸食され強く変形しているが、生成時には直径200~250 kmあったと推定される。
なお、世界で1番大きいアストロブレムは南アフリカ共和国のフレデフォート・ドーム。また、3番目は恐竜絶滅の要因と目されるメキシコのチクシュルーブ・クレーターである。
サドベリー盆地 (Sudbury Basin) には、火成岩類・角礫岩類・堆積岩類がつぶれた楕円形に同心円状に並ぶ、特異な地質構造が発達しており、地質学的にはこれをサドベリー構造 (Sudbury Structure) と呼ぶ。その起源は18億5000万年前 (古原生代) の隕石の衝突であり、クレーター地形は侵食と広域削剥で失われたが、当時の地下地質構造が現在地表に露出していると考えられている。衝突によってマグマが発生し、そこから生じた火成岩類にニッケル・銅鉱山群 (ニッケル・銅硫化物鉱床) が含まれ、資源地質学的に重要な地である。
盆地南部のクレイトン鉱山にはサドベリー・ニュートリノ観測所 (SNO) がある。