クアドリガ
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クアドリガまたはクワドリガ(quadriga)は、4頭の並行する馬に引かせたローマ帝国時代の車またはチャリオットであり、古代ギリシアのテトリッポスに相当する。ラテン語の quadri-(4つの)と jungere(くびき)を組み合わせた語である。古代オリンピックなどで戦車競走に使われていた。ギリシアの壺やレリーフに神や英雄の乗ったチャリオットの側面から見た絵が描かれているものがあるが、そのチャリオットがクアドリガである。クァドリガは勝利の象徴だった。そのため勝利を象徴するウィクトーリアやペメといった女神が乗った姿で描かれることが多い。古代の神話では、クアドリガは神々の乗るチャリオットとされていた。アポローンはクアドリガを駆って天空を行く姿でよく描かれ、陽射しをもたらし夜を追い散らす。
クアドリガはチャリオット部分のみを指すこともあるし、4頭の馬をつなげた全体も指すことがある。
近代のクアドリガの彫刻の原点は、「勝利のクァドリガ」の異名を持つサン・マルコの馬という古代の彫刻であり、古代のクアドリガの彫刻としては唯一現存している。元々はコンスタンティノープル競馬場の建物の上にあったもので、現在はヴェネツィアのサン・マルコ寺院にある。1204年の第4回十字軍に参加したヴェネツィアの十字軍が持ち去って、サン・マルコ寺院に設置した。1797年、ナポレオンがパリに持ち去ったが、1815年にヴェネツィアに返還された。大気汚染のため、本物は1980年代に博物館に移されており、現在サン・マルコ寺院にあるのはレプリカである。