DNAクランプ
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DNAクランプ(DNA clamp)又はスライディングクランプ(sliding clamp)とは、DNA複製を進行させる機能を持つタンパク質複合体である。DNAポリメラーゼホロ酵素の重要な構成要素の1つとしてクランプタンパク質はDNAポリメラーゼに結合し、このDNAポリメラーゼがDNA合成のために鋳型DNAと結合している際に鋳型鎖から解離することを防ぐ。クランプ-ポリメラーゼタンパク質間相互作用は、ポリメラーゼと鋳型DNA鎖の間の直接的な相互作用よりも強力かつ特異的である。ポリメラーゼとDNA鎖の結合はDNA合成反応の律速段階の一つであるため、DNAクランプにより解離と再結合の必要性が無くなることで、DNAクランプが存在しない場合と比較して最大1,000倍ほどDNA合成速度が上がる[2]。