Atlas (コンピュータ)
ウィキペディア フリーな encyclopedia
Atlas Computer(アトラスコンピュータ)は、1962年から1971年に稼働した世界初のスーパーコンピュータの1つ。当時は世界で最も高性能なコンピュータとされた[1]。Atlasの稼働が止まるとイギリスが持つ全コンピュータの能力の半分が失われると言われた[2]。ページング方式を使った仮想メモリ機能(当時は1レベルストアと呼んだ[3])を搭載した世界初のマシン(ページサイズは512-word[4])として有名であり、この方式は急速に拡散し、今日では当然なものになった。
Atlasは真空管ではなく電子部品のバイポーラトランジスタを使用した第2世代のコンピュータだった。マンチェスター・ビクトリア大学、フェランティ、プレッシーが共同でAtlasを開発した。Atlasは他にも2台あり、うち1台はブリティッシュ・ペトロリアムとロンドン大学のために作られ、もう1台はオックスフォード近くのチルトンにあるアトラスコンピュータ研究所に納入された。
フェランティはケンブリッジ大学のために改良版を製作した。これはTitanまたはAtlas 2と呼ばれ[5]、メモリ構成が異なり、ケンブリッジ大学コンピュータ研究所が開発したタイムシェアリングシステムに対応したOSが動作した。Atlas 2は他にも2台あり、1台はケンブリッジのCADセンター(後のCADCentreで、さらに後にのAVEVA)に、もう1台はアルダーマストンにあるイギリス核兵器研究所(AWRE)に納入された。
マンチェスター大学のAtlasは1971年に撤去された[6]。CADCentreにあった最後のAtlasは1976年の年末に運用を終えた[7]。チルトンのAtlasの部品がエディンバラにあるスコットランド国立博物館に保存されている他、2014年7月に発見されたメインコンソールがオックスフォード近くのチルトンにあるラザフォードアップルトン研究所に保管されている。