空軍元帥 (イギリス)
イギリス空軍の最高位 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
イギリスの空軍元帥(くうぐんげんすい、英語: Marshal of the Royal Air Force, Marshal of the RAF)は、イギリス空軍における最高位の階級である[1]。平時では統合参謀総長(英語版)に任命された士官と退役する空軍参謀総長(英語版)に与えられた。存命の空軍元帥の階級は生涯にわたり維持されるが[2]、現在では、現役士官の最高位は大将(英語版)である。
空軍元帥 Marshal of the Royal Air Force | |
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Marshal of the RAF rank flag | |
Marshal of the Royal Air Force sleeve & shoulder board | |
A Marshal of the RAF star plate | |
国 | イギリス |
軍隊 | イギリス空軍 |
略称 | MRAF |
階級 | 5つ星階級(英語版) |
NATO階級 | OF-10(英語版) |
非NATO階級 | O-11 |
制定 | 1927年 |
下位階級 | 空軍大将(英語版) |
同等階級 |
1990年代に空軍が縮小されてから元帥への昇進が停止されているものの、戦時中に任命される可能性があり、平時においても君主の裁量によりイギリス王族や特定の高級士官に与えられることがある(ただし、平時の任命は名誉的なものである[3])。2012年、イギリス軍の最高司令官である女王エリザベス2世(当時)を補佐した功績が認められチャールズ3世国王(当時、皇太子)が元帥に任命され、2014年、空軍参謀総長と統合参謀総長(英語版)を務めたジョック・スターラップが元帥に任命された。
空軍元帥は5つ星階級(英語版)であり、空軍中将(英語版)とは違い、正しく元帥と見なされ得る。NATO階級はOF-10(英語版)であり、陸軍元帥(イギリス陸軍)や海軍元帥(イギリス海軍)と同等である。
空軍元帥の階級は1919年に制定され、1927年にヒュー・トレンチャードが初めて昇進したのを皮切りに、延べ27人が元帥に昇進した。そのうち、22人が職業軍人、5人がイギリス王族である。国王ジョージ5世は正式には空軍元帥ではなく、最高司令官に就き、その権限内において、時々、空軍の軍服と階級章を着用していた。公の場で初めて着用したのは、1935年(崩御の前年)である。
君主と王族を除いて、参謀総長を務めずに元帥に昇進したのはショルト・ダグラスとアーサー・ハリスのみで、両者ともに第二次世界大戦において司令官を務めた。ハリスは爆撃機軍団(英語版)総司令官(英語版)であり、ダグラスは戦闘機軍団, 中東軍団(英語版)、沿岸軍団(英語版)の総司令官であった。