死ぬ権利
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死ぬ権利(しぬけんり、英語: Right to die)は、死ぬ時期を決定する権利、死に様を選ぶ権利のこと[1]。広義には自発的な積極的安楽死、医師による自殺幇助、自殺する権利、間接的安楽死を含み、狭義には医学的治療の拒絶・停止によって患者が死に至る状態のときに治療を拒否・停止する権利を指す[2]。助かる見込みのない延命措置を中止して尊厳死を求める権利は患者の家族によっても行使されうる[3]。死ぬ権利に関連して、アメリカ合衆国の一部地域などではリビング・ウィル(生前の意思)という条件のもとで尊厳死を認めた尊厳死法が制定されている一方で、自殺幇助などの観点から様々な論議を呼んでいる[3]。
1981年に世界医師会が出したリスボン宣言では、「患者は尊厳のうちに死ぬ権利を持っている」として、医師は尊厳死という患者の権利の一つを与えるために努力するべきであるという旨の主張がなされた[4]。もっとも、どのようにすれば患者の尊厳が保たれるのかについては触れられておらず、改定後の宣言文も曖昧さを伴うものであり、各国それぞれが異なる事情を持つことも相まって、はっきりとした世界的で統一的な見解は現れていない[5]。