恐竜ルネッサンス
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恐竜ルネッサンス(きょうりゅうルネッサンス)とは、1960年代以降に恐竜研究の世界に生じた一連のパラダイムシフトを指す言葉である[注 1]。1964年のジョン・オストロムによる小型肉食恐竜デイノニクスの研究をきっかけに、「恐竜(の少なくとも一部)は現生の温血動物と同様に活動的な生活を営み、高度な社会性を持っていた」という考え(恐竜恒温説)が広まった[3]。これによって、20世紀前半まで一般的であった「恐竜は冷血動物でのろまな動物である」というイメージは覆された。
オストロムの弟子であり、賛同者でもあったロバート・バッカーは「停滞していた恐竜研究を改革していく」と明言し、このパラダイム・シフトのことを、美術史におけるルネッサンスになぞらえ、“恐竜ルネッサンス”と表現した[4]。恐竜ルネッサンスは恐竜に関する生物学的な知見(生理学、進化、行動、生態、絶滅など)に大きな影響を与え、一般の恐竜に対する多様なイメージを培うことになった。