利用者:Dokuo350/ネワール仏教
ウィキペディア フリーな encyclopedia
ネワール仏教(ネワールぶっきょう、英語: Newar Buddhism)は、ネパールのカトマンズ盆地に住むネワール族によって信仰されている密教の一派[1][2]。
ネワール仏教は、ネワール族のカースト制(英語版)や父系制に基づく非出家僧院的な仏教社会をはじめ、独自の社会宗教的な要素を発達させてきた。儀礼祭司(guruju)カースト[注釈 1]であるヴァジュラーチャールヤ(Vajracharya、金剛阿闍梨(英語版))[注釈 2]やシャーキャ(shakya)[注釈 3]が、妻帯を伴う僧侶階級を成す一方[4]、ウラエ(英語版)(Urāy、在家)[注釈 4]などのその他の仏教徒カーストが檀家層を担っている[5]。ウラエ・カーストの人々は、チベット密教、上座部仏教、台密にも布施を行っている[6]。知られている密教の宗派のうちでは最古であり、チベットの密教よりも600年以上前に成立した。また、現在存在する伝統的仏教としては唯一サンスクリットが使用言語として使用され続けている[7]。
カトマンズ盆地では仏教伝来以後1000年間は仏教が盛んであった。しかし、15世紀には、カシミールやインドネシアにおけるインド仏教が衰滅したのとほぼ時を同じくして、カトマンズ盆地の仏教は文化的・言語的に特徴ある形態へと変化したようである。結果、ネワール仏教は、サンスクリット仏典をはじめ、他地域の密教には伝えられなかったインド仏教のいくつかの要素を受け継ぐこととなった[8]。