光の片道速度
ウィキペディア フリーな encyclopedia
「光速」の語を使う時、片道速度と往復速度を区別する必要がある場合がある。ある光源から検出器までの「片道」速度は、光源と検出器それぞれの地点での時刻をどのように同期させるかについての規約(時計の同期方法に関する恣意的な決定)と独立に測定することができず、実際に実験的に測定されているのは光源から検出器までの往復速度である。アインシュタインは光の片道速度が往復速度と等しくなるような時計の同期法を選んだ(en:アインシュタインの同期法)。任意の慣性系において光の片道速度が一定であることが彼の特殊相対性理論の基礎となってはいるが、その理論の予言のうち実験的に検証可能であったものは全て、この同期法の選び方には依存していない。(つまり特殊相対性理論は証明されているが、その時計の同期法については任意性が残っている)[1][2]
この項目「光の片道速度」は途中まで翻訳されたものです。(原文:One-way speed of light) 翻訳作業に協力して下さる方を求めています。ノートページや履歴、翻訳のガイドラインも参照してください。要約欄への翻訳情報の記入をお忘れなく。(2018年1月) |
同期法に依存せず、直接に光の片道速度を測定しようと試みた実験がいくつかあるが、どれも成功には至っていない。[3] それらの実験は直接的には遅い時計輸送による同期法(slow clock-transport)がアインシュタインの同期法と等価であることを確立しており、これは特殊相対性理論の重要な特徴となっている。これらの実験は遅い時計輸送と等価であることが示されているため、光の片道速度の等方性を直接的に確立できていないが、ニュートン力学や慣性系の定義の仕方自体についても片道速度が等方的であることを仮定しているため、恣意性に関してはどれも同じ問題を抱えている。[4] 一般に、これらの実験は、光の往復速度が等方的であり、かつ片道速度が非等方的である場合と整合可能であることが示されている。[1][5]