ロスタム
ウィキペディア フリーな encyclopedia
イランのペルセポリスにある巨岩遺跡については「ナクシェ・ロスタム」を、ミュージシャンについては「ロスタム・バトマングリ」をご覧ください。 |
ロスタム(ペルシア語: رستم、ラテン文字転写: Rostam [rosˈtæm])は、ペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』に登場する英雄。イラン最大の叙事詩「王書」(シャー・ナーメ)を含むペルシア文学の中でも、最も偉大な英雄とされ、その栄光と悲劇に彩られた生涯は世界的にも有名である。ザール(白髪のザール)とカブールの王女ルーダーベ(英語版)の息子。母ルーダーベが蛇王ザッハークの曾孫であるため、ロスタムはナリーマン(英語版)(ナリーマーン)家という英雄の家系に生まれながらも、ザッハークの玄孫でもある。
巨象のような立派な体格をもち、『シャー・ナーメ』ではたびたび獅子に喩えられる。また、突出しているのは体格だけではなく、カや勇気、そして策謀も、イランで彼に並ぶものは無く、英雄としての資格を全て兼ね備えていた。特に武術の腕と投げ縄の腕は並ぶものなどいないほどとされる。700年もの生涯のうち、イランを守るため、トゥーラーン(トゥラーン)や化け物とたびたび戦った。彼は七つの試練を越える、ペルシア最大の英雄の一人である。