リザ (キリスト教)
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リザ(ロシア語: риза, 「ローブ」の意)もしくはオクラド(ロシア語: оклад, 「覆われた」の意、ギリシア語: επένδυση)は、正教会において用いられる、イコンを保護する金属製の覆い[1]。ふつう、メッキされるか銀製の金属でレリーフの技術を使った装飾と共に作成される。そこには貴重な宝石や真珠が用いられ、時にはエナメル加工、線条細工、手間のかかった模造品も使われる。
リザの使用はビザンティン美術に起源があるが、ロシア語の術語はしばしばギリシャイコンに適用させられている。ギリシャ語では"ギリシア語: επένδυση"(エペンディシ、覆い)との術語がある。
リザの目的はイコンへの崇敬にある。リザにはハリストス(キリスト)や聖人の像が彫り込まれる。蝋燭やオイル・ランプがイコンの前で燃えており、香炉が奉神礼の間に焚かれているため、イコンはいつも黒ずむ。リザはイコンを保護するのに役立つ。
リザはイコンを覆うことに特化してデザインされているが、イコン画の主題として描かれている人物の顔と手、足などはむきだしのままであり、直接みてとることができる。リザの光輪などはイコンそのものより精緻につくられていることもままあり、生神女のイコンにかけられるリザにはしばしば宝冠がつけられ、その衣服にはたいてい真珠や宝石などが飾りつけられている。ふつうリザは肖像の顔と手をのぞいてイコン画の全体を覆ってしまうものだが、特に古いものでは主題となっている人物の光輪だけを覆うものもみられ、そういうものは「ベニェツвенец」と呼ばれる。また時としてリザはロシア語では「ツァターЦата」と呼ばれるトルクやゴージットとして様式化されたものも含む。
後期ビザンツ帝国のものは特にそうなのだが、そもそもリザをつけることを前提として描かれるイコンもある。つまり、リザで覆われない部分は初めから描かれないのである。