ピレウス帽
ウィキペディア フリーな encyclopedia
この項目では、帽子について説明しています。ギリシアの地名については「ピレウス」をご覧ください。 |
ピレウス帽[1][2]、ピレウス(ラテン語: pileus/pilleus)あるいはピレウム(ラテン語: pilleum)[3]は、もともとピロス(古代ギリシア語: πῖλος,pîlos,pilos)という古代ギリシア、エトルリア、イリュリア(パンノニア)で着用されていたつばのないフェルトの帽子であり[4][5][6][7]、後に古代ローマにも取り入れられたものである[8]。
ペタソスと共にピロスは、古代と古典時代(紀元前8世紀-4世紀)のギリシアで最も一般的なタイプの帽子だった[9]。紀元前5世紀には古代ギリシアに青銅版が現れ始め、ピロス式兜が歩兵用として人気を博した[10][11]。その兜には時折、馬毛の装飾がつけられていた[10]。ギリシアのピロスはローマとエトルリアのピレウスに似ており、通常はフェルトでできていた[12]。ギリシア語のピリディオン(πιλίδιον,pilidion)とラテン語のピレオルス(pilleolus)はスカルキャップ[注 1]に似た小型の帽子だった[13]。
同様の帽子は、ガリア人とフランク人の服に見られるように、ヨーロッパのさまざまな地域で古代後期と中世初期に着用された[12]。アルバニアの伝統的なフェルト帽子のプリス(plis)[14]あるいはケレシェ(英語版)[15]は、今日アルバニア、コソボ、および隣接する地域で着用されており、古代イリュリア人が被っていた同様のフェルト帽子に由来する。
ピレウス・コルヌトゥス(pileus cornutus)[16]と呼ばれる尖ったバージョンは、12世紀からの17世紀の5世紀間にわたって神聖ローマ帝国のユダヤ人の識別記号として使用された[17]。