スーパーコロンバイン大虐殺RPG!
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『スーパーコロンバイン大虐殺RPG!』(スーパーコロンバインだいぎゃくさつアールピージー、原題:Super Columbine Massacre RPG!)は、ダニー・ルドーン(英語版)による2005年に製作された同人ゲーム。RPGツクール2000製。1999年のコロンバイン高校銃乱射事件(英:Columbine High School massacre、コロンバイン高校虐殺事件)をモデルとし、プレーヤーは、同事件の犯人であるエリック・ハリスとディラン・クレボルドを操作して実際の事件に基づく物語を体験する。後半では地獄を舞台とする空想的な冒険が展開され、エピローグでは政治風刺が行われる。特に従来メディアによるセンセーショナルな報道などを批判している。本作はアート・ゲーム(英語版)[注釈 1]にも分類される[1]。
タイトル画面で用いられたコロンバイン高校銃乱射事件の実際の映像写真 | |
ジャンル | コンピュータRPG |
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対応機種 | Windows |
デザイナー | ダニー・ルドーン(英語版) |
シナリオ | ダニー・ルドーン |
人数 | シングルプレイ |
発売日 | 2005年4月20日 |
エンジン | RPGツクール2000 |
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作者のルドーンは、自身がイジメを受けた経験やコロンバイン高校銃乱射事件に対する衝撃などから、早くから同事件を基にしたゲームの作成を構想していたが、製作スキルがなく着手できずにいた。2004年、プログラミングの専門知識がなくともゲームが作成できる製作ソフト『RPGツクール2000』を知ったルドーンは、これを用いて約6ヶ月で本作を作成した。ルドーンはインターネット上に無料で本作を公開したが、当初はほぼ知られていなかった。2006年に広くメディアに取り上げられたことで知名度が急速に高まり、ダウンロード件数は数十万に達した。
本作は否定的な反応を受け、事件や人命を軽視していると批判された。批評家はコミカルな表現や地獄のプロットが、ゲームのメッセージ性を曖昧にしていると論じたが、一方では子供向けエンターテイメントという既存メディアに依らない媒体を用いた点を評価する向きもあった。本作は、テレビゲームと暴力事件の関係性の話題でも取り上げられるようになり、2006年のドーソン・カレッジ銃乱射事件では、本作を原因の1つとして挙げる意見もあった。本作は2006年のスラムダンス映画祭において「スラムゲート」と呼ばれる騒動を起こし、それまで子供向けと見られていたテレビゲームが持つ芸術性・メッセージ性について一石を投じた。