カナの婚礼 (ヴェロネーゼ)
パオロ・ヴェロネーゼによる絵画 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『カナの婚礼』(伊: Nozze di Cana, 英: The Wedding Feast at Cana)は、イタリアルネサンス期のヴェネツィア派の画家パオロ・ヴェロネーゼが1563年に制作した絵画である。油彩。主題は『新約聖書』「ヨハネの福音書」2章1-11で語られている、ガリラヤのカナでの結婚披露宴でイエス・キリストが行った最初の奇跡から取られている。非常に大きなサイズの絵画はルネサンス後期のマニエリスム(1520年-1600年)で制作され、ルネサンスを代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ・サンツィオ、ミケランジェロ・ブオナローティらが実践した構成上の調和における様式(英語版)的理想への理解を示している[1]。
イタリア語: Nozze di Cana 英語: The Wedding Feast at Cana | |
作者 | パオロ・ヴェロネーゼ |
---|---|
製作年 | 1563年 |
種類 | 油彩、キャンバス |
寸法 | 6.77 m × 9.94 m (267 in × 391 in) |
所蔵 | ルーヴル美術館、パリ |
盛期ルネサンスの芸術(1490年-1527年)は理想的な比率、バランスのとれた構成、美しさの点において人間の姿を強調したが、一方でマニエリスムは、図像、照明、色彩におけるルネサンスの理想を誇張した。絵画空間を平らにし、人間の姿を現実的な表現としてではなく、主題の理想的な先入観として歪曲することによって、非対称あるいは不自然でありながらエレガントな配置を実現した[2]。絵画の要素間の視覚的な緊張とカナの結婚披露宴の人物間の主題の不安定性は、ヴェロネーゼによる技術的工夫の適用、洗練された文化的コードと象徴性(社会的、宗教的、神学的)の包含に由来し、関連する『聖書』の物語をルネサンスと現代の鑑賞者に提示している[3]。
現在、ヴェネツィアで制作された『カナの婚礼』はルーヴル美術館に所蔵されている。そのキャンバスの大きさはルーヴル美術館の膨大な絵画コレクションの中で最大を誇る。
イタリア政府から返還要求が出されたことがあり、それに対してフランス政府は「大きすぎるから運べない」との声明を出して、返還を拒否している[4]。