アメリカ合衆国憲法修正第4条
ウィキペディア フリーな encyclopedia
アメリカ合衆国憲法修正第4条(アメリカがっしゅうこくけんぽうしゅうせいだいよんじょう、英語: Fourth Amendment (またはAmendment IV) to the United States Constitution)は、アメリカ権利章典の一部であり、不合理 (unreasonable) な捜索および押収(英語版)を禁止し、また令状 (warrant) を発給する上での条件を定める。令状は、裁判官 (judge) または司法官 (magistrate) によって発行され、相当な理由(英語版) (probable cause) によって正当化され、宣誓 (oath) または確約 (affirmation) によって裏付けられていなければならず、また捜索されるべき場所および押収されるべき人または物を個別具体的に (particularly) 記述していなければならない。
この記事は特に記述がない限り、アメリカ合衆国の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
修正第4条についての判例法は、3つの主要な論点を扱う。政府のどのような活動が「捜索」や「押収」なのか、何が捜索および押収を行うための相当な理由を構成するのか、そして修正第4条の権利の侵害をどのように処理するのかである。初期の裁判例はこの修正条項の適用範囲を財産または身体への物理的な侵害に限定していたが、カッツ対合衆国事件(英語版)(1967年)において、合衆国最高裁判所はこの条文による保護は物理的な場所のみならず個人のプライバシーに対する侵害にも及ぶと判示した。ほとんどの捜索押収活動について令状が必要とされるが、最高裁は同意ある捜索(英語版)、自動車内の捜索(英語版)、プレインビューにある証拠(英語版)、緊急状況(英語版)、国境での捜索(英語版)やその他の状況について一連の例外を打ち立ててきた。
違法収集証拠排除法則 (exclusionary rule) はこの修正条項が執行される方法の一つである。ウィークス対合衆国事件(英語版)(1914年)で確立されたこの法則は、修正第4条違反の結果として入手された証拠は通例刑事裁判において証拠能力を持たない (inadmissible) とする。違法な捜索のその後の結果として発見された証拠も、「毒樹の果実」として証拠能力を持たない場合がある。例外は、それが合法な手段によっても不可避的に発見されていたであろう(英語版)場合である。
修正第4条は、1789年に反連邦主義者(英語版)らの新憲法への反対に対応してジェームズ・マディソンによって権利章典の他の修正条項とともに連邦議会に提出された。連邦議会は1789年9月28日にこの修正条項を各州に付託した。1791年12月15日までに、全州のうち必要な4分の3がこれを批准した。1792年3月1日、トーマス・ジェファーソン国務長官はこれが正式に憲法の一部であると宣言した。
権利章典は当初は州以下の政府には適用されなかったこと、およびアメリカの歴史の最初の1世紀において連邦による刑事捜査は一般的でなかったことから、修正第4条についての20世紀以前の意義のある判例法はわずかしかない。この修正条項はマップ対オハイオ州事件(英語版)(1961年)において修正第14条の適正手続条項(英語版)を通じて州以下の政府に適用された(英語版)。